絶対少年/第26話(最終話)「頼りなく豊かな冬の終わり」

「"何も選ばないってーのがオマエの選択だろ"なんて言いやがったら承知しねェぞ」
とは、一緒に観ていたウチの子のセリフ。違ってよかったわー(^_^;)

えー、半年間けっこう真面目に観ておりました『絶対少年』、このたびめでたく(めでたくないか?)完結いたしました。とはいえ、完結しようもないお話なんですがー;

「世界の皮膜」と言われるものは、幾重にも重なって存在する多層世界を区切るもののようです。なにかの加減で皮膜が薄くなったり穴あいたりすると、隣り合う世界で求められているものがそれぞれ互換され相殺されて(=プラマイゼロで質量が統合されて)自己完結する?みたいな感じ。よって「対立する勢力」という表現はあてはまらないと歩は言ってました。
マッキーがいみじくも「思いはカタチになるんだよ」とつぶやいたのも、歩と同じような結論に至ったからかなあ。

「思い」はいろんな感情が渾然一体となっているけど、どれかの感情だけが肥大すると露見してしまう……それがフェアリーとイーブルであり、元々一対だったのが分離して目に見えるカタチになったあと再び統合されていくのが、この世界の多くの人間には「対立」と「消滅」に見えた、と。

ここで歩の言う「真実は事実を見た人の数だけ存在する」を当てはめれば、「元々ひとつだったものが分離し再び結合した」という事実を「善きものと悪しきものが対立の末消滅した」という真実に結論付けたってことだよね。
要するにあたしたちは、それをいちばん分かりやすい結論とする感覚をもった存在なのである、とも言えるワケで。

見えなくて当たり前のものが見えてしまう不自然さやその理由は、完全になれない欠陥を抱えているせいで、出来るだけそれを補おうと、誰もが何かを求めてる……まあそんな風に自分的に納得しようかと思います(笑)。アレは何の象徴云々はもう疲れるのでやりません、面倒だし。

あ、最後のクレジットで監督さんが友人AだかBだかの声をアテてましたね。のーてんきな三匹予告編もこれで終わり。思えばここがいちばんSFだったかも(爆)。

絶対少年/第25話「世界の皮膜が穴だらけ」

そりゃ誰だって今まで体験したことないよな、びっくりどっきりワクワクガクガクな結末を見たいと思うでしょー! あたしだってそうさ。ザブングルの次回予告で「ああ感動のラスト前」という名言を聞いて以来、この思いはずーっと続いているのです。そして大抵は尻すぼみか、ブラウン管にミカン投げつけーのに終始してきたワケさ。

ちょうど戯言も最終巻で、ちょっと気が抜けてたこともあり、絶対少年にいらぬ期待がかかっておりますの。とはいえ、来週を観てみないことには総括できないしなあ。今までのすべてがすってんころりんしそうな、大どんでん返しとかなさそーだし。

OP観てて「あー、田菜のみんなは今頃何してんだろう」と、能天気なこと考えてしまうの。人間って自分のキャパを超える現象を前にすると、最も卑近な現実に逃げようとするんだよね。そう、夏休みの歩みたいに。
でも、あの子はわっくんや美紀ちゃん、スカワラとの出会いで、積極的な受動というなかなかナイスな人生設計を立てるに至りました。アメーバみたいに広がる自我を、上手い具合に形にまとめられるのが大人ってヤツだとすれば、歩やマッキーはもうそっちの世界にいる。
選ばれるのが自分でない寂しさを嫉妬と呼ぶことすら知らないのが子どもだとすれば、希紗も理絵子ちゃんもまだまだ発展途上中。
だからさ、フェアリーもイーブルも、実は善悪云々って前に、単に大人と子どもの溝の象徴なんじゃなかろーかと、思ったりしたんだよねー。

ここしばらく世間を騒がせてる中高生の事件報道も、アタマの固い大人のために分かりやすい答えを探そうと必死でしょう。彼らが「キャラ設定」「ロープレ」「EVA的」「バッドエンド」「GOTH」とかを正しく理解できれば、「ゲームのようなバーチャル世界と現実を混同してる」なんつーアホのひとつ覚えみたいな結論から解放されるんじゃないかなあ。

その逆が、このアニメ。
つまり子どもたちに「大人になるのはそんなに悪いもんじゃないよ」ってことを、感じてもらいたいんだと、あたしは思う。

みんなはどう?

絶対少年/第24話「彼女たちの小さな冒険」

どこがどう「冒険」なのかっちゅーと、希紗にとってはブンちゃん(とケータイ)無しでドアの外へ出ること、優等生だった理絵子ちゃんにはKEEP OUTのテープをまたぐこと……かしら。あるいはスカワラがキーステーションへの取っ掛かりをつかむこと、そんのぐらいしか思いつかんわー;

「谷川」のネームプレート横に、NHKのシール(だけが)どーん!とあるのは、さり気に意識誘導してる? でもここ2、3日のNHKニュースアナは「オレが悪いんじゃないやいっ」て表情がありありだよね(苦笑)。
スカワラのお弁当が、妙にリアルで好きv 伊藤さんのこだわりが、ここにもあるようです。ちくわの磯辺揚げって、市販のお弁当じゃなきゃ無いおかずだと思うの。

希紗ってば、スカートたくし上げ思い切りよすぎ; 脇からぱんつ見えちゃうゾ(-_-;) あの無造作加減が成基あたりにゃツボなんでしょーか。そんな将棋小僧に「頼めるのオマエしかいないし」と殺し文句で駆り出される理絵子ちゃんも哀れではあります。

臨港パークで待っていたのは、わっくん化した(?)歩。

待ってたし。
来たし。

どっしるとしっしん飛んでくるし。
あと2回(多分)、総まとめ、どうくるか。

絶対少年/第23話「幸せを運ぶ闇の光」

「少なくとも私は、自分で考え行動することを放棄したくない」

そうできるだけの具体的な知恵と力をもっている人の発言です。
「何もできないけど何かしたい」と間をすっ飛ばすのはダメ。「いつかしたいことができるよう、今、力をつけよう」こうでなくっちゃいけません。

ついに誰の目にも可視となった、横浜上空のナゾの飛行物体。個人的には「巨大な絶縁体」と呼びたいですが、スカワラによるとあれは「巨大なマテリアル・イーブル」であるらしい(しかもフェアリーとは表裏一体?)。
今までの青春群像的展開から、一気にSFテイスト爆裂で嬉しいです♪ 

ここでスカワラのお話をざっとまとめると

1.不幸を招くと言われる暖色系→実は正の力をもつマテリアル・フェアリー
2.幸せを招くと言われる寒色系→実は負の力をもつマテリアル・イーブル

2は古来日本で付喪神と呼ばれるもので、粗末にされた物が妖怪となり人々に害をなすもの。これに対し1は付喪神を退治する不動明王のようなもの。すなわち日本の、ひいては世界のあらゆる時代・場所における伝承に登場する「大いなる対立」が、新たな形で顕現したと考えるべきだ――こんなところでしょうか。
問題はそれが何故、田菜と横浜なのかですが、そこらへんも納得いく解説が用意されているのかな。


……ところで。
巨大なTVニュースモニタ、見上げて吠える犬、関東一円を赤く染める地図……妙な既視感に襲われるのはあたしだけ?

よもやストーブ上のヤカンに「特2」と書かれてあっても違和感ないんですけど、伊藤サン(^_^;)

絶対少年/第22話「消えたものと生まれるもの」

感想がずーっと抜けちゃいました。録画ビデオ観てはいるんだけど、タイミング悪くてなかなかアップできなくて。
ま、しばらくフェアリー関連では大きな変化なかったけどね。暖色系がフェアリーで、寒色系がイーブルかあ。どっかの住宅案内みたい(苦笑)。

全国的にウザがられキャラなマッキーと理絵子ちゃん、それぞれなんとか奮起して自分なりの決着をつけたみたいです、一応。いい子でいたがる理絵子ちゃんの豹変はハナについてさらにウザいですが、マッキーはいい感じにまとまったと思います。いかんせん成基がちょっと格下げかなあ。勝負師だけに、それなりにハラくくってるかと思ったんだが……もしかしてイ●ミ2号?

ホームレス画家のアトリエに、ナゾの飛行物体の絵がありましたね。彼はフェアリー以外にもいろいろ「見たいもの」があるらしい。そんなのに啓蒙されて、すっかり別人みたいに振舞う理絵子ちゃんが鬱陶しいのさ。要するに、彼女の逡巡はその程度で解決されちゃうものに過ぎなかったと。

いやしかし、最後にチラッと見せる不思議で「あ、SFなんだっけ」と我に返るおかしなアニメではあります。
しかも妙なとこでエロい(苦笑)。
たとえばスカワラのトレーナー股間とか、理絵子ちゃんの畳の上でのミニスカ足さばきとか、希紗の下着で四つん這いとか。
一部のマニアにはそゆとこもウケてるんだろうな(笑)。

ぶんぶんぶんハチが飛ぶーと、うつろな希紗の目の前に、小型EVA量産タイプ(爆)あーんどグルグル絶縁体(いい加減名前教えて欲しいなあ;)登場だ! もうそろそろ基本に立ち返ってSFしようよぉ~~vv

絶対少年/第19話「翼の生えた魚」

おかけになった番号は現在電波の届かない場所か、あるいは破壊されております。

……成基に教えてやりたいなー。理絵子ちゃんもいい加減彼をアテにするのはやめようよ、惨めな思いするだけだからさ。
しっかし、どれも見事に一方通行だねえ、観ててイライラしてくるわ(笑)。

突然麻子さんが登場したのは何故なんでしょう。しかもこのタイミングで。何か現象に対する示唆があるのかと思ってたのに、羽鳥くんの羽ついた魚鑑賞ですか?
ああでも、芸術家の想定内に収まる自分に酔っているとは、いささか耳の痛いお話でした。芸術家になろうとしてなる人も稀にいますが、多くは時間が判断するものでしょうねえ。いっつもエプロン姿ばっかだった麻子さんがシックないでたちだったので、それなりに決意した横浜訪問だったことが伺えます。

どっしるとしっしんがいなくなってしまった歩は、自分なりの結論を出さないと行動に移れない様子。アンタA型でしょ?(笑)
美紀ちゃんとツーカーな感じでいいですねえ。理絵子ちゃんみたいのは鬱陶しいので、断然美紀派。なんてーの、彼がいればそれはそれで嬉しいけど、いなくっても自分の足で立てる女の子ってカッコイイでしょう。自分が男の子だったら絶対そういう子がいいんだもん。すがられるようなのは重荷でイヤなの。「キミがいなくっても平気」って素振りされると「絶対引き止めてやる」って逆に燃えません? うふふ♪

かと言ってスカワラくらい抜けちゃってると、あんまり可愛げないかしらん(^_^;) でも彼女も好きです、最近は。今んとこ、狂言回しの役柄だもんね。美少年にも事欠かないし、羨ましい限りですわ(なんか違;)。

"くっつきくん"でブンちゃんの修繕作業に勤しむ希紗がカワイイvv でもベッドの上のサカナオブジェが妖しい光を放っているよ。もしかしてマテリアルフェアリーが「モノ」に宿るんだとしたら……。産廃のあそこらへん、どうなっちゃうんだろうね。

絶対少年/第18話「十七歳の出会いと絶望」

実際に、関内の高架下にはあれと同じようなラクガキがいっぱいあります。希紗に話しかける歩がまるで、達観した高僧のように見えるんですけど(笑)。この2年でホント大人になったねえ……きっと誰とでも、適度な距離で付き合えるような処世術を徐々に身につけてるんだろうな。

「成基は希紗の中に自分を見てるんだよ。ありゃ一人ぼっちがふたりいるようなもんだね」
自分には優しいってことかー、そうだよな、まだたった17歳ぽっちだもんな。自分のことでいっぱいいっぱいのお年頃さね。
希紗も冷めてる割に、家族に誕生日も祝ってもらえない孤独感で泣くし。理絵子ちゃんてば、成基を挟んで恋のライバル(苦笑)を意識してんのかと思いきや、意外と誕生日の件では「私はちゃんと覚えてるよ!」といった決意の表情見せてます。

そんな複雑な三角関係を更にややこしくさせているマッキーですが、今回もやってくれました。希紗←→成基←理絵子という図式を顕現させて、自分の存在をさり気に差し挟みたい彼は、希紗との協定を破ります。そーよねー、恋は抜け駆けの勝ちだもん!

事ここに至って、希紗、成基、歩、スカワラ、マッキー、ブンちゃん、どっしる&しっしんのベストメンバー(ひょっとしてワーストか;)集合。和気藹々と往年の『未知との遭遇』も束の間、ブンちゃんブッ壊れーのです; 暖色系と寒色系は一触即発なのですか。そしてランドマーク上空に浮かぶインデペンデンス・デイ(ソレチガイマスッテバ!)が怖いの。
いや、それよりも

歩の立場がとってもヤバイ!!

スカワラの正体が分かれば、もっとヤバイ!!

さて来週は田菜の麻子さんとこっちの浮浪者(羽鳥次郎とかいうらしい。名前美しすぎないか?)がなにやら関係ありそななさそな(どっちだ#)。

絶対少年/第17話「それは関与できない問題」

はあ。
話が一気に将棋です。
東京将棋会館って、渋谷の千駄ヶ谷にあるのね、知らなかったわ。総武線か大江戸線ね……ほとんど縁の無い場所かも。

いやしかし、成基の名前が「make base=マクベス」から来てたとは! さすがネーミングに凝る伊藤さんですね。
理絵子ちゃんは希紗をダシにして成基と逢おうとするけれど、彼は希紗との方によりシンパシーを感じてる模様。アウトロー同士、共感するものがあるんだろうなあ。常識の範囲内に留まろうとする、あるいは範囲に据えて尺度を計ろうとする理絵子ちゃんが、成基には鬱陶しい存在なんでしょう。ハッキリ言いやがったし(苦笑)。しかも理絵子ちゃんは分かろうとしない。ダメだね、こりゃ。

コスモワールドの観覧車に9時間も閉じ込められたスカワラ、前も後ろもアベックの箱に挟まれて、すっかり濁り切った様子です(^_^;)
横浜に頻発する異変はサイバーテロの危険性有りと、当局でも調査は進んでるのか。

関与できない問題は人と人の間に。
人と世界の間に。
世界と、無関心の間に。

絶対少年/第16話「目に見えない巨大な何か」

ビデオを一緒に観ていた子どもが一言。

マッキーって全員からウザがられてるね。

普段下手に出ているクセに、思わぬところで切り返してくるのが不気味なんだと思います。本人に意識があんだかないんだか分かりませんが。

田菜編ではハッキリしない感じであまり心情的に添えなかった歩が、すっかり大人っぽい雰囲気を身につけてやたら頼もしく見えてしまいました! そっか、美紀ちゃんとなかなかいい雰囲気になってたんだね、よかったよかったvv
二人のケータイの遣り取りが微笑ましく、同じ体験をした仲間同士という信頼感が羨ましかったです。とはいえ、この現象に解決が打たれたならば、それで自然と消滅してしまう間柄でもちっともイヤじゃありません。あたしは「距離と時間は愛を越えることもままある」と思う人間ですので……。

フェアリーに、暖色系と寒色系があるという分類がなされていたのにはちょっと驚きました。適当に発色してるんだとばかり。「拮抗する二つの力」とはこれのことなのかしらん。しかも勢力分布が大きく変わりそうなワケでしょ?
ランドマークタワーの上空でゆらゆら滲む「何か」が映ると、市内在住の身には何やらザワつくものがあるのです(^_^;) インデペンデンス・デイはイヤだよう;

ところで、スカワラ、濁りません!のお部屋を見て、某ミサトさんを思い出したのはあたしだけでしょーか?

絶対少年/第15話「アーバン・フォークロア」

えー、都市伝説でいいのかな。
ブンちゃんを気に入った希紗は、これまでよりケータイに頼ることをしなくなったようにも見えますねー。しかし彼女の後姿はまるで、クリスマスツリーみたいだな;
一方、マッキーはあたしなんかから見て度が過ぎてるように思います。ツールはあくまでも生活を快適・便利にするもので、支配されちゃいけません。

希紗、理絵子、成基の三人は同じ高校の同級生というだけじゃなく、何か意図をもって結ばれた関係なのかしらん。それとも理絵子が恋愛的な牽制を張るために、「三人の間で秘密はイヤだ」と言うのかな。確かに成基は頼り甲斐ありそうな男の子だもんね。

そんな理絵子に片想い中のマッキーだけど、「お友達以上」には全然彼女に意識してもらえない上、下心が分かると避けられてしまう始末。
ブンちゃんを挟んでの希紗と成基の遣り取りを見てしまったマッキーは、ある「取り引き」を条件に須河原に秘密を明かそうとします。

横浜で初めて不思議を垣間見た者、すでにそれを体験した者、これら両者を結ぶ者が次回いよいよ再登場らしいぞ。

そう、高校生になった逢沢歩だァー(^o^)丿

いや~、歩とマッキーが出会うことになったら、さぞ盛り上がらない会話になるだろうなあ。そこに希紗が加わって脱力三人組だね!